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障害者GH世話人なりたての元専業主婦Blog

虐待①:人は自分の「下」を作りたがる生き物

2021.07 アメ横

府中市の障害者施設での虐待がニュースになっている。

私が働いているグループホームでの目に見える虐待は全くない。利用者側も職員も表情が良いし笑顔が見える。客観的・主観的に見ても良い施設だと思っている。

障害者施設で虐待が発生する仕組みは何点かあると思う。

まず職員の生活の質と比較して利用者側のほうが恵まれているという事。いつも掃除されて清潔で大きめなお風呂や居間。居住する部屋も6畳はあって各々が好きなものを置いていたりしている。部屋が過剰に汚れてくれば世話人と一緒に掃除をしたりして、自分の住みやすい環境に保たれる。3食のバランスの良い食事が出てきて、うちの施設では手作りの朝食と夕食が提供されている。利用者さんが「仕事」と言っているA・B作業所。朝の出発時間はバラバラだが、必ず18時くらいには帰宅する。そこから広めのお風呂の湯船につかって、夕食を食べ、22時くらいまでは部屋で好きな事をしたり、職員や利用者同士で楽しく語り合ったりする。

それと対比して自分の生活の貧しさよ。どういう流れでこうなったかはわからないが最低賃金で独り暮らしをする苦しさ。夜勤があれば生活リズムも崩れる。生活するにはギリギリの賃金で、遊ぶこともままならない。施設で肉体労働をするだけではなく、精神労働も発生する。精神労働とは障害者さんの気持ちのコントロールの事だ。好きで勤めているならばいいが、人手不足の4kと言われる福祉業界に藁にも縋る思いで働いている人たちもいる。自分が幸せでなければ人の幸せを考える余裕なんてあるわけがない。かつての友人には妻や子供いたりして極まる惨めさ。自分より下をつくって安心したくなった目の前にいるのは弱者である人達・・・。

なんて勝手に想像して書いているが、こういう一例もあるだろう。この世界だけでなく人がマウントを取りたかったり、取られたりなんて話はいくらでもある。虐待しても良いというわけではないが、もうちょっと職員側の環境を整備したほうが問題は少なくなるような気がする。