-障害者GH世話人- Aya's Everyday

障害者GH世話人なりたての元専業主婦Blog

傾聴

2021.07 北区・北とぴあから

世話人として働いていると利用者さんから話を聞く機会がある。中度の障害者さん、自閉症の障害者さんは話しかけてもすぐに終わったり、まったく話しかけてこない人もいるが、軽度の知的障害者さんの中にはよく話しかけてくる人もいる。

話の内容は将来の事だったり、身内の話だったり。私からは話しかけることはないので、専ら話しかけられるのだが忙しいときには困ってしまう。でも相手が一生懸命話しかけてくるので傾聴に入るが話が長引く。日曜日や祝日勤務の日は利用者さんの作業所もお休みで在宅者が多く、お茶下さい等の細かい業務も加わって忙しい。更には移動支援に出かけた利用者さんがこちらの都合なんておかまいなしな時間に帰ってきたりもするから人手不足は極まる。

そんな中、利用者が自分の話を聞いてほしいと言わんばかりに話しかけてくるのだ。私は極力心がけている。相手の目を見て一生懸命話を聞くふりをしようと。もうこれは演技だ。頭の中では次にやらないといけないことが駆け巡っている。話が長引けば長引くほどに「私はあなたの話を聞いている暇はない」という雰囲気を消し去ることに精一杯になっている自分がいる。話を聞く中には相手が間違っていれば「間違っている」という事を指摘しなければいけない。自立支援を目的とした施設だから、他者の迷惑になるような思考を修正し、なるべく社会に融合していけるようにYESマンとして対応するのではなく、時には導かなければいけない。

利用者さんをお導きしようとしたが失敗し、ある日、常勤者に私に対する苦情がきた。その中身も「自分の障害特性をわかってほしい」というものだった。私はこれ以上にないくらい我慢しながら、細心の注意を払い、それはコールセンターでオペレーターをしていた頃より遥かに強く、相手を思いやりながら話している。話しているつもりだ、なんて不確定な言葉を使いたくないくらいに確実に行っている。それでそう言われてしまえばどうしようもない。

苦情を出してきた利用者さんは管理者に絶大なる信頼を寄せている。管理者をほめたたえる言葉を何度も聞いている。ここの施設の管理者は現場に出て生活支援員世話人と同じくらい利用者に接している良い管理者だ。そうであるならば管理者に自分の思いをすべて話したらどうなのだろうか、と思ってしまった。本当はこう思ってはいけないんだろうけど。

やらなきゃいけない家事、とても気を使って行う傾聴、その果てに「自分は障害者なんだから」と言われ、最低賃金で働く。これは働き手がいなくなるわけだ。今、若い人はこういった負の情報をすぐに得ることができるから、若い人はなおさら敬遠するだろうね、こういう仕事を。そして人手不足は延々と続いていく。仕方がないことなんだろうけど、何かあるたびに「障害者なんだから」という盾を使われたら、いくらなんでも・・・ね(笑)