-障害者GH世話人- Aya's Everyday

障害者GH世話人なりたての元専業主婦Blog

闇:従業員の私生活なんてどうでもいいんだ

2020.06

私の働いているグループホームでは一年に一回の日帰り旅行がある。毎年秋に近場の遊園地に行ったりしているようだった。その年の予算に合わせて行く場所を変えて行っている。今既に今秋の旅行についての話があがり、管理者は全員参加を希望していた。

私自身は5年前から計画している大阪旅行と被ってしまう可能性があるので、「参加が難しい人は挙手を」と言われた時に手を挙げた。可能性がある、というのは夫の休暇次第なのでというところがある。いけない理由を聞かれたので素直に大阪旅行の話をした。その時に管理者の口から出てきた言葉は

「大阪なんていつでも行けるじゃん!」

「こっちの旅行のほうが大事でしょ!」

言われた瞬間、まさかそんな言葉が出てくるとは思わなかったので、え?どっちの、(大阪旅行か施設の旅行が大事)ですか?と質問してしまった。まさか私の旅行より施設の旅行のほうが大事と言われるなんて思わなかったから。頭が混乱している中、

「そりゃーこっち(施設)だよ!w」

という返答がきた。

・・・うーん。これってただの笑い話なんだろうか。

この大阪旅行は父が大阪の単身赴任先を周回する思い出旅行みたいなもので、父が関西から関東に戻ってきてから5年に1回と一緒に行っている大事なものだった。今年は帰ってきて20周年の3回目の旅行で、5年前から「次の旅行が楽しみだね」と二人で話をしていた。実際には父親が昨年の1月に亡くなってしまったからかなう事はなかったけど、それでも父の代わりに夫がきてくれると話してくれたし、父が行けなかった旅行を二人で計画した時期に行こうと思っていた。正に弔い旅行だった。

私にとってはこれほどまでに大事な旅行を、その内容を一切話してないとは言え「施設の旅行の方が大事」と一蹴されてしまったことを非常に残念に思う。その後、管理者からは発言の謝罪があり、ご家族がいる方はご家族とも合わせないといけないのに申し訳ない、ともあったが、一度言われたことは忘れはしない。

「なるべくみんなで行きたくてさあ」

いや、違う。付き添いの人数が足らなくなるからだろう?誠意のない意識で誠意のある言葉を吐かないでほしい。醜い嘘である。

人々はなぜ働くのだろう。金のため、生活のため、そうであろう。でもその先がなければ絶望しかない。仕事場に夢を見るかといえばそうでもない。利用者の生活の質が向上しても、従業員のそれが低いままではね。従業員に対する軽視が日々の虐待のニュースにつながってるんだと実感した。そして、福祉が長い人は「それが普通」と思う事も世間の非常識であることには気づかないこともよくわかった出来事であった。