私は父の友人に会いに行った。ゲームを通じて仲良くなった二人。私も同じゲームをプレイしているのでゲーム内で友達登録をしていたので、話したことはなかったけど、なんとなくつながっていた。
父がなくなって個人の交友関係のほとんどがiPhoneに閉じ込められてしまった。iPhoneのロックというのは持ち主が死んでも解除が不可能なのである。
「いつも16時半にその人と〇〇の場所で会うんだよ」
その言葉を元に会いに行ったら、その人がいた。そして父が亡くなったことを伝えた。そこではじめて私と、父の友人はLINEでつながる。
生前に父の交友関係について口頭で聞いておいて良かったと思った。今や個人の持つスマートフォンは個人情報や嗜好の宝庫だから、所持者が死んでも解除ロックができないという事もわかる。色々と詰め込まれすぎたスマートフォンは、本人が死んでも見られたくない秘密などもあるだろう。父は文字を書かないタイプの人間だったから、スマホが見れず、遺産確認が大変だったという。スマホは小さくてとても便利な機械だ。ただしその中の情報を、持ち主が死んだ後に追う事は本当に大変なのだ。
